変態戦士オコトマン

2008年10月9日(木)
【第12話『ドキドキ!?わくわく!?お散歩大作戦!!(前編)』】
「やってしまったわね…」


「どうしたんですか?」


「あ…琴美くん…やってしまったわ…」


「何をですか?」


「前回の話で、琴美くんが変身したでしょ?」


「ああ、しましたね。犯罪に手を染めるように…」


「誤解されるような言い方しないの」


「(事実じゃないですか…)


…で、それがどうかしましたか?」


「『ピンチの時しか変身出来ない』っていう設定だったのをすっかり忘れてたわ…」


「…………」


「こうなったら全て無かった事に…」


「いやいやいや…今更遅いですよ」


「じゃあどうすればいいのよ…」


「素直に謝りましょう」


「嫌よ…私は悪い事してないし…」


「いや、アリスさんが気付いたんだから…」


「うるさい!じゃあ忘れなさい!」


「(理不尽だ…)」





第12話『ドキドキ!?わくわく!?お散歩大作戦!!(前編)』





うさぎさんルーム。


琴美とアリスがテーブルでぐったりしている。


「平和ね…」


真顔&棒読みで言うアリス。


「平和ですね…」


死んだ目で言う琴美。


「前回の話からソレイーケはなーんの動きもないし…」


壊した上に改心したんだから当たり前と言えば当たり前である。


「そうですね…。何も起きなきゃ起きないで暇ですね…」


主人公にあるまじきセリフ。


「このままじゃピースボケしてしまうわ…」


「そうですね…。平和ボケしてしまいますね…」


アリスのボケを受け流す琴美。


あ、豪打と骨皮は○イキンマンの所にいます。


「んあ゙ー…何か起きないかしら…このままじゃどうにかなりそうだわ…」


「そーですねー…」


こんな調子で大丈夫なんですか。


バン!!


「!?!?」


ビックリする琴美。


「そうだわ!!」


突然何か浮かんだように起きるアリス。


「ゴンちゃんとサブちゃんが戻って来たら、出掛けましょう!!」


「で、出掛けるって…どこにですか?」


「外に決まってるじゃない!!」


「いや、そういう意味じゃなくて…」


「よし!!そうと決まったら早くゴンちゃんとサブちゃんを呼んでこなくちゃ!!」


「え…戻って来たらじゃ…」


ガタン!!


バン!!


タッタッタッ…


「………」





そんなこんなで、アリスは豪打と骨皮と琴美を引き連れてバイバイキーンを飛び出る。


そして、目的地に到着。


「ここは…」


「西口よ」


「えっと…どこの…」


「さーて、全員いるか確認するわよー」


「あ、あの…」


無視。


「ゴンちゃん!」


「ピー」


「(ピー!?)」


「サブちゃん!」


「ピー」


「(いや、ピーって…)」


「琴美くん!」


「(ど、どうする…ピーと言えばいいのか…どうすれば…)」


「琴美くん!返事!」


「ピ、ピー…」


「よし、OK!全員いるわね!」


「(よかったんだ…)」


なぜ「ピー」なのかはそのうち。


「ごほん!えー…本日ここに来た目的は、不思議探索!…じゃなくて、うさぎさんチームの親睦を深める為です!」


「親睦を深める…だと?」


「ヒヒヒ…」


「そう!琴美くんがうさぎさんチームに入ってまだ間もないから、この機会にみんなと仲良くなってもらおうかなーってね♪」


「アリスらしいな…ヒヒヒ…」


「ああ、だからこんな所に…」


「そういう事!じゃあ早速ペア分けを…」


いつの間にか作った割り箸くじを取り出すアリス。


「待て待て」


豪打が水を差す。


「ゴンちゃん?なに?」


「俺達は遊びでバイバイキーンにいるわけじゃないんだ。そんな仲良くするためにわざわざ出歩くのは…」


「…なに?嫌なの?」


「嫌だな」


正直な豪打。


「そう…。なら仕方ないわね…」


「(あれ?この展開は…)」


「(ヒヒヒ…学習したな、松美…)」


「文句ばっか言ってんじゃねぇ!!このプロテインバカ!!」


「プ、プロテインバカ!?」


「(やっぱり…)」


「(ヒヒヒヒ…)」


「友達が少ないあんたの為でもあるのよ!!黙って参加しなさい!!」


「はい…。ありがとうございます…。参加させていただきます…」


「(やっぱりアリスさん怖い…)」


「(ヒヒヒヒ…)」





という訳で不思議探索…じゃなくて親睦を深めるためのお散歩会、開催。


「じゃあ、改めて…ペア分けを決めまーす♪」


もう一度割り箸くじを取り出すアリス。


「3本あって、そのうち2本が赤色。残りの1本には何も書いてないから。赤色同士がペアになって、無印を引いた人は私とペアね」


「わかりました」


「わかった」


「ヒヒヒ…了解…」


「じゃあ、せーので引いてね。


せー…の!」


ジャーン!


赤色:琴美、豪打
無印:骨皮


「えーっと…じゃ、琴美くんとゴンちゃんがペアで、私とサブちゃんがペアね」


「ご、豪打さん、よろしくお願いします…」


「ああ、よろしく…」


気まずい。


「(おお…くじ引きの神様よ…なぜこの組み合わせにした!なぜ豪打さんと骨皮さんにしない!)」


「じゃ、1時間後にまたここに集合ね!行きましょ、サブちゃん!」


「ヒヒヒ…レッツゴー…」


歩き出すアリス&骨皮。


「あ、ゴンちゃん!例のヤツ、よろしくね!」


「ああ、わかってる」


「(例のヤツ…?)」


人込みに消えていくアリス&骨皮。


そして残る琴美&豪打。


「あははは…。ど、どうしましょう?」


「知らん」


「………」


気まずい。





「ど、どこに行きましょうか?」


「どこでもいい」


「………」


非常に気まずい。


アリスが琴美の為に開いたようなお散歩会。しかし、豪打は反対。だけどアリスに丸め込められる。そんな状況で琴美と豪打がペアに。果たして琴美と豪打は仲良くなれるのか!?


では、気まずい空気のまま5分経ったところからどうぞ。


「えっと…じゃあアリスさん達はあっちに行ったので、俺達はこっちに…」


「好きにしろ」


「あ、はい…。じゃあ行きましょう…」


ようやく歩き出す琴美と豪打。


「………」


「………」


会話が無い。気まずい。


「(やばい…この空気はやばい…。息が詰まりそうだ…。な、何か話を…)」


話題を探す琴美。


「ご、豪打さんの好きな食べ物って何ですか?」


ベタな質問。


「…タンパク質」


「………」


沈黙。


「(こ、これはギャグなのか!?豪打さんなりのギャグなのか!?ツッコめばいいのか!?どうなんだ!?)」


「…なんだよ」


目が合う。


「(ダ、ダメだ!!ツッコめない!!ツッコんだらいけない気がする!!)」


「………」


「………」


また沈黙。


「(あ、そうか…俺から質問したんだから俺の好きな食べ物も言わなきゃ…


よし…!)


お、俺は…か、カルシウムが好きかなー…」


「…そうか」


「………」


「………」


何回目か分からない沈黙。


「(あはは…スルーされた…)」


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