変態戦士オコトマン

2007年11月11日(日)
【第1話『変態戦士オコトマン参上!』】
ここは地球。


時は西暦2007年。


アメリカでは悪の組織「ソレイーケ」が調子に乗っていた。


「攻撃可能です。いかがいたしましょう」


「よし。やれ」


「了解」


ポチッ


「これでアメリカも私達のものだ…。むふふふ…」





場所は変わり、日本。


ある一人の男が平凡な毎日を送っていた。


「あー…今日もハズレか…」


競馬新聞を広げながら愚痴をこぼしてる。


彼は松田琴美(まつだことみ)。女っぽい名前だが男だ。


たった今、日課の競馬がハズレた。


「やっぱりメロメロバイキングにすりゃよかったかな〜」


メロメロバイキングとは今非常に人気の馬である。まあ、そんな事はどうでもいい。


彼はこの話の主人公だ。競馬が趣味の主人公とは何とも悪い感じだが、主人公は主人公だ。


毎日馬券を買ってはハズレ、たまに当たっても一万円代。


こんな感じのどうしようもない人間がこの日、大いに変わる事になる。


「続いてのニュースです。今日未明、アメリカ全体に謎の現象が起きました」


「ん〜?」


何となく点けてたテレビに目をやる。


「アメリカに住んでる全市民が最寄のパン屋に集い、一斉にアンパンを買うという珍事が起きました」


「なんだこれ」


「この珍事は、イタリアやスペインなどに続いて六ヶ国目です」


「そんなにあったのかよ」


「アメリカの警察は、何者かによる精神操作と見て調査しています。以上、今日のニュースでした」


「くだらねぇなぁ…。まあ俺には関係ないけど」


そう言って、持っていた競馬新聞に目を戻した。


これでいいのか主人公。





また場所は変わり、悪の組織ソレイーケのアジト。


「先ほどの作戦でアメリカ全土を制覇できました」


彼女はバ○子。作戦参謀みたいな感じ。


「よくやった」


彼は○ンパンマン。ソレイーケのリーダー。


リーダーといってもソレイーケはバ○子と○ンパンマンの二人しかいない。


昔から二人という訳ではなく、いつの間にか他の人が辞めて今の状態になってしまった。


辞めた理由は「仕事にやり甲斐を感じない」から。


そもそもこのソレイーケの活動目的は、「全世界のアンパン中毒」である。


このスケールがでかいのか小さいのか分からない上に、組織に利益があるのかどうかも分からない活動目的が影響で辞めていったのである。


ちなみに、二人しかいない割には活動していて、ニュースでも言っていた通りアメリカで六ヶ国目である。


「次はどこにするか」


「総合的に見て、日本がいいかと」


「ん〜。なぜだ?」


「今の日本は世界から見ても非常に発展してます。今のうちに日本を制覇すれば、このあと色々と楽かと」


真面目な作戦参謀。


「ん〜。そうか。じゃあ日本にしちゃうか」


駄目なリーダー。


「了解」


これでいいのかソレイーケ。





またまた場所は変わり、日本。


ソレイーケ攻撃開始まで10分前。


「だーー!!ダメだー!!」


叫ぶ主人公。何をしているかというと…


「まぁた負けやがったー!!このゲーム壊れてんのかー!?」


競馬のゲームである。情けない…。


「割っちゃうぞ!!こんなゲーム割っちゃうぞ!!」


ここで割れないのが主人公。


「…チクショー」





またソレイーケのアジト。


ソレイーケ攻撃開始まで5分前。


「リーダー。あと5分で攻撃可能です」


「とりあえずリラックスしててくれ。君ボタン押すだけだし」


「了解」





日本。


ソレイーケの攻撃が始まるまで1分前。


「はぁ…。気晴らしに散歩でも行くか」






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